成増まちかど泌尿器科

東武東上線・有楽町線・副都心線成増駅すぐの泌尿器科

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STD

性感染症について

性感染症とは

性感染症とは性的接触(通常の性行為や、キス、フェラチオ、アナルセックスなど)により、口や性器の粘膜、皮膚を介して感染する病気です。
かゆみや痛みなどの自覚症状以外にも無自覚のまま進行することがあり、パートナーに感染させたり、また不妊や神経など全身に深刻な影響が出ることがあります。
また出産時に赤ちゃんに影響を及ぼすこともあります。
淋病
古典的性病の二大巨頭の一つ。
男性の排尿痛としての性病なら、まずはこれかこれじゃないか、から始まります。
淋菌による尿路、生殖器の感染症ですが、膣性交だけでなく、肛門性交や口腔性交でも感染します。
症状
感染後数日~1週間ぐらいで排尿時の痛み、尿道から膿が出る、といった症状が強くでます(淋菌性尿道炎)。
ただ女性では症状が出ず気づかれないことがあります。緑黄色の濃いおりものがでることもあります。進行すると不妊の原因になり得ます。また出産時に赤ちゃんに感染し、目や関節の病気を引き起こします。
検査
男性では尿を採取し、菌の遺伝子を増幅させて存在を確定させます(PCR検査)。
女性ですと、他にも簡易な方法もありますが、やはり膣の粘膜や分泌液を綿棒などで拭って採取し、菌の遺伝子を増幅させて存在を確定させる方法(PCR検査)が最も確実です。
この方法ですと感染から数日程度でも検査が可能です。ただ日数が経過し、ある程度菌が繁殖して症状がある状態の方が正確性はより高くなります。
結果は、即日~1週間以内で判明します。
治療
抗生剤の注射、点滴が有効です。ただ薬が効きにくい菌の報告もあります。
咽頭淋菌感染症
淋病が性器ではなく喉の粘膜に感染したものです。性行為の多様化に伴い、近年、増加しています。
性器に淋菌が感染している場合、10~30%の確率で口腔内にも感染しているとも言われています。
症状
喉の違和感などが出ることがありますが、多くは無症状です。
検査
咽頭には無害な近縁種が常在しているので、病的な淋菌との鑑別が重要になります。うがい液を提出いただき、菌の遺伝子を増幅させて存在を確定させます。ただしご家庭の水道水でのうがいだと菌の遺伝子が壊れて検出が難しいことがあります。
治療
淋菌性尿道炎の治療に準じます。
クラミジア
こちらも古典的性病の二大巨頭の一つ。
クラミジア・トラコマティスという菌による尿路、生殖器の感染症です。もちろん淋菌との同時感染もあり得ます。
症状
感染後2週間ぐらいで男性では排尿時痛、尿道から膿が出る、といった症状がでます。淋菌と比べてその症状はやや軽く膿も薄い印象です(クラミジア性尿道炎)。
気づかずに進行し男性不妊の原因になることもあります。
女性では症状が出ず気づかれないことがありますが、黄色味のあるおりもの、生理痛のような痛み、不正性器出血などを起こすこともあります。
進行すると不妊の原因になり得ます。出産時に赤ちゃんに感染し、目や肺に影響することがあります。
検査
男性の場合は尿を採取し、菌の遺伝子を増幅させて存在を確定させます(PCR検査)。
女性ですと、他にも簡易な方法がありますが、菌の遺伝子を増幅させて存在を確定させる方法(PCR検査)が最も確実です。
この方法ですと感染から数日程度でも検査が可能です。ただ日数が経過しある程度菌が繁殖して症状が出た状態の方が正確性はより高くなります。
また、この方法でも他の方法でも、女性の場合、クラミジアは比較的粘膜の奥に潜む形になるので、確実な検査をするには膣鏡で見ながらしっかり膣の粘膜をこすって検査する必要があります。
検査結果は、即日~1週間以内で判明します。
治療
内服薬が有効です。ただ薬が効きにくい菌の報告もあります。
治療効果の確認を行う場合、治療薬内服終了後に、死滅した菌の遺骸が消え去るまでの1~2週間程度あける必要があります。
咽頭クラミジア
クラミジア菌が性器ではなく喉の粘膜に感染したものです。性行為の多様化に伴い、近年、増加しています。
症状
喉の違和感などが出ることがありますが、多くは無症状です。
検査
うがい液を提出いただき、菌の遺伝子を増幅させて存在を確定させます。ただしご家庭の水道水でのうがいだと菌の遺伝子が壊れて検出が難しいことがあります。
治療
クラミジア性尿道炎の治療に準じます。
マイコプラズマ尿道炎/ウレアプラズマ尿道炎
最近、注目されてきている性病達です。
頻度は淋病・クラミジアほどではありません。
ただ、淋病・クラミジアを疑った、あるいは治したものの、検査や治療で「どうも違う、まだ何かある」となった時に、マイコプラズマやウレアプラズマという菌による尿道炎の場合があります。
症状
感染から数週間~1月を経て、クラミジアのように排尿痛を起こしますが、比較的、痛みが弱く膿も薄く、あるいはほとんど症状として出ないこともあります。
検査
尿の中の微生物を育て病原菌を確認(尿培養)するのが主流です。
マイコプラズマに関しては、トリコモナスと併せて菌の遺伝子を増幅させて存在を確定する検査(PCR検査)というのもあります。
ただこの病気の難点なのですが、淋病・クラミジアの検査との同時検査が保険的に認められていないので(2024年現在)、淋病・クラミジアの対応が完了しないとこれらの検査に進めません。 急ぐ場合は自費診療を要します。
また感染から数日ぐらいでも検査が可能ですが、やはり日数が経過しある程度菌が繁殖して症状が出た状態の方が正確性はより高くなります。
検査結果は、概ね1週間程度で判明します。
治療
お薬の内服が主体ですが、マイコプラズマに関しては、治療薬が効きにくいことがあり、大問題になっています。
トリコモナス症
トリコモナス原虫という病原体に感染するものです。
女性においては膣トリコモナス症として、青っぽく強い臭いのする泡状のおりものが出て、デリケートゾーンの痛み・痒み、妊娠中の感染で早産などを引き起こします。
この病原体は主に性行為などで男性の尿道にも感染します。
性行為以外でも頻度は低いですが入浴やタオルの共用などでの感染の可能性はあります。
症状
他の性病と違って、男性の場合の多くは無症状です。症状があっても1~2週間後にごく軽い尿道の痛みや薄い膿がある程度で気づかれず、女性が婦人科で診断されて発覚することがほとんどです。
検査
男性の場合、尿の中の微生物を育て病原菌を確認(尿培養)するのが主流です。マイコプラズマと併せて病原体の遺伝子を増幅させて存在を確定する検査(PCR検査)というのもあります。
女性の場合、生理日を避けて膣分泌液を採取して上記検査に提出します。
理論上は感染から数日ぐらいでも検査が可能です。
検査結果は、当院においては概ね1週間ぐらいで判明します。
ただし、この病気の難点なのですが、淋病・クラミジアの検査との同時検査が保険的に認められていないので(2024年現在)、淋病・クラミジアの対応が完了しないと検査に進めません。
急ぐ場合は自費診療を要します。
さらに男性の場合、トリコモナスは尿道粘膜の奥底に潜むので検出感度が低く(実際は感染しているのに検査では検出されない)、検査で確実に感染状況を確認するのが非常に難しいものになります。しっかり尿を我慢して尿を採取しないと、病原体が洗い流されてしまって検査で捉えきれない可能性があるのです。
女性パートナーが本症と診断された場合、70~80%の確率で男性パートナーにも感染していますので、検査結果によらず治療を開始すべきでしょう。
治療
内服薬で加療します。しかし治ったことをしっかり確認するのも難しい病気であることをご理解ください。
梅毒
私がもっとも難しいと感じる性病です。
梅毒トレポネーマという病原体が性器などの粘膜に感染することから始まります。
症状
3週間程で硬性下疳(こうせいげかん)という痛そうな傷が生殖器を始め接触感染部位に出来ますが、これが不思議と痛くありません。本来この段階(感染初期)で診断をつけるべきなのですが、一言で硬性下疳と言っても非常に多彩な様相を来たし、何より他の病気とまず見分けがつきません。「性病の忍者」と揶揄される所以です。
さらに傷は自然に治癒するので患者様も気に留めないことが多い。そうしてご自身でも気づかずに移し移されるため、梅毒の流行が社会的に問題になっています。
しかも症状がなくとも病原体は秘かに体を回っていき、やがて体中に発疹をきたし、妊娠中ですと赤ちゃんに影響したり(先天性梅毒)、最終的には体中の神経に入り込んで、その機能を奪い、果ては認知症などにも影響します。
検査
一般的には、採血検査で病原体の構成要素とそれに対する免疫抗体の数値を測定し組み合わせて判断します(RPR/TPHA)。
検査結果は1週間以内で判明します。
しかし感染時期によって多彩なパターンを取る上、梅毒ではないのに測定結果が乱れたりすることがありますので(生物学的偽陽性)、感染から概ね1カ月以上経過していないと判断が難しくなります。
なお、免疫抗体だけを大まかに検出する簡易検査もあり、即日で結果が出ますが、同検査のみでの判断には注意が必要です。
治療
抗生剤の内服が基本ですが、長期に及ぶことがあり忍耐を要します。
他、限られた症例では点滴による治療ができることがあります。
性器ヘルペス
皮膚系の性病です。水ぶくれのウイルス(ヘルペスウイルス)の一種による感染症です。
症状
症状が出ないこともありますが、ウイルス感染後1週間程度で、亀頭周囲の粘膜が赤くなり、徐々に粟状の水ぶくろのブツブツ(水疱)を形成し、それが破れて強い痛みを伴うことがあります。
同部分はやがてカサブタ(痂皮)となって治癒しますが、治癒、あるいは治療後でもウイルスは神経の奥底に潜み、免疫力が低下すると再び性器粘膜に出てきて発症することがあります。
初感染では症状がなく、再発の際に症状を伴って感染に気づかれることもあります。
診断
一般的には症状が特徴的なので、見た目と経緯を伺って診断します。
破れている水疱がある場合などで他の疾患(梅毒やカンジダなど)と紛らわしい場合、患部をこすって抗原検査に提出することもあります。結果は即日で出ます。
治療
抗ウイルス剤の内服で治療します。
尖圭コンジローマ
皮膚系の性病です。イボのウイルス(パピローマウイルス)の一種による感染症です。
特徴的なイボを形成し、そのイボに触れることで感染するのですが、その力が非常に強いのが特徴です。
そのため、イボから周囲の皮膚にばら撒かれて潜んでいるウイルスがいて、イボを治したと思っても、その周りから再発することがあります(自家感染)。
症状
感染後、数か月程度で「鶏のトサカ」と表現されるようなイボが発生します。
診断
イボが特徴的なので、見た目で判断します。
治療
塗り薬、外科的除去(手術や冷凍凝固)などで対応しますが、再発率が高く根気が必要です。
性器カンジダ
カンジダというカビの一種に感染します。
カンジダは常在菌の一種で健康な人の皮膚にも普通に存在しています。
そこまで感染力や病原性が強いわけでもなく、特に男性では清潔を保っていれば感染しにくく、感染しても自然治癒もあり得ます。
ただ免疫が極端に低下していたり 糖尿病などで尿糖があるなど特定の繁殖条件が揃うと病気として発症する傾向があります。
症状
数日~1週間程度で、女性では強い性器の痒みとともに白い酒粕のようなおりものが出て、性交痛などを起こします。
男性では多くは無症状ですが、かゆみがでたり、性器の赤みや、水疱ができることもあります。また尿道に感染して排尿痛を起こすことがあります。
診断
多くは症状や見た目で診断します。
場合によっては患部や膣内容物(生理中を除く)を綿棒で拭ったり尿を採取して、そこにどんな菌がいるか育てて確認することがあります(スワブ培養/尿培養)。
同検査では感染から数日ぐらいでも検査が可能ですが、やはり日数が経過しある程度菌が繁殖して症状が出た状態の方が正確性はより高くなります。検査の結果がでるまで1週間ほどかかります。
ただ尿の培養の場合ですが、淋病・クラミジアの検査との同時検査が保険的に認められていないので(2024年現在)、淋病・クラミジアの対応が完了していないと検査に進めません。
急ぐ場合は自費診療を要します。
他、施設によっては検体を顕微鏡にかけて菌体を人の目でその場で判断し即日検査としているところもあります。
ただカンジダは常在菌でもあるため、必ずしも検出されることが即病気というわけではないため、他の病気を見落としていないかなど留意を要します。
治療
清潔保持で自然治癒することもありますが、飲み薬の内服、塗り薬の塗布、膣錠の挿入で対応します。
ケジラミ症
陰毛や頭髪、腋毛などの毛に住み着くケジラミという虫による病気です。毛の接触で感染しますが、タオルなどを介しても感染します。
症状
毛の生えている部位がとても痒くなります。
診断
よく見ると、ケジラミの虫体が毛の根本や毛穴にいます。
治療
剃毛や、スミスリンシャンプーなどの市販薬で対応します。
ただ卵には効かないので、成虫が駆除されても虫が卵から孵化するまで治療を続けなくてはなりません。全体で2週間程かかります。
詳しくは皮膚科や薬局にお問い合わせください。